関西詩人協会・掲示板
無題 - 無名氏
2025/08/17 (Sun) 06:30:36
「死の弾」
今時まだ 戦争をやってるなんて
人と人とが 殺し合いをやってるなんて
自分の意思からでなく
強制や同調 衒いや逃避
そんなごちゃ混ぜの理由から
一番大切なものを失くして
今時まだ 命の遣り取りをしてるなんて
その中で ほくそ笑んでいる者達
肩章と胸の勲章を揺らしながら
折り目正しい挙手を受けている者
タガの外れた国の予算をいい事に
武器を作り 売り付け買い付ける者
どこにでも いつの時代にも
そういう者達がいた
多くの者が傷付き 餓え死んでいく傍を
札束を数えながら通り過ぎて行く
戦うのなら
どうしても戦わなければならないのなら
この両の手で
その訳と その行く末とを
自分の意志と 責任とに引き受けて
せめてそういう風に
絞めてみたい 思いっ切り
相手の首を
相手も絞めてくるだろう
私の首を 力一杯
二人は顔を真っ赤にし
ゼイゼイ息をしながら
相手の息の根を止めようと
さらに強く強く 力を込める
苦しくて 悲しくて
互いに涙を流すだろう
一体何の為にこうして
その目と目を見ながら
最期には 微かに頷き合いながら
今時まだ 戦争をやってるなんて
名も知らない 顔も知らない者同士
今時まだ 殺し合いをやってるなんて
時代は変わった 速度の限りを超えて
誰とも知れない
あなたを殺す無人の武器が
あなたと
誰とも知れない人との間を遠く距てて
今日もまた 死の弾が
そこここに 飛び交っている
2025.8.15
Re: 無題 - 下前
2025/08/20 (Wed) 21:36:41
今もウクライナやガザで戦争が続いている。
いや、ガザのは戦争ではなく、ただただ無慈悲な殺戮だ。
そしてこの日本でもミサイル基地が続々と建設され、戦争の準備が急ピッチだ。
膨大な軍事費にほくそ笑む人々、企業がある。
そんな時代に、詩の言葉はどう語ればいいのだろう。
考えていきたい。